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子どもたちが生きる時代の教育最適解とは?
今の子どもたちが生きる時代の「教育最適解」とは? この問いに対するスクモールの答えをご覧ください。
●高度経済成長の背景
3~4月は新大学4年生が就職活動に忙しい時期です。実際には大学3年生の夏にインターンシップに参加し、企業を調べたりするのもその時期からです。年明けから企業説明会が始まり、3~4月で本試験、採用面接ラッシュです。ES (エントリーシート) の提出は20~30社に及び、10~15社程度のオンライン面接などを経て、最終面接で内定が出るという流れです。
この新卒採用というものは、戦後の日本経済を支えた非常に優れたシステムでした。高度経済成長を担っていたのは、車産業 (マイカー)、持ち家 (住宅ローン)、そして終身雇用 (新卒採用) という3本立てであり、敗戦国の日本の国力を上げていくために作られた制度です。
国力とは、1つの要素として、財政力があります。簡単に言うと、国民にマイカー・マイホームを持つという幸福の形を示し、そこにローンという制度によって労働して得た賃金を毎月安定的に国が集めることで財政を潤沢にしていくというものです。
そのローンを組ませるためには、安定した労働が必要であるために終身雇用があり、その終身雇用によって守られることが、最初の新卒一括採用というバリューを引き上げました。すると大学に入学することが重要になってきて、学歴社会が生まれていったというわけです。
車産業は高度経済成長期において労働人口の4人に1人が従事していたと言われるくらい大きな産業ですから、雇用においても国力を安定させる上で非常に重要でした。とにかく、良い大学に入って、優良企業に就職することが勝ち組となり、大学から企業に送り込んで定年まで年功序列で給料が上がっていくという、まさに工場のベルトコンベアーのような流れが出来上がっていました。
●時代の教育最適解は?
このベルトコンベアーのような仕組みは、当時の戦後間もない日本を復興させる手段として最適解であったと思います。しかし、その流れが現在まで残っていることは懐疑的にならざるを得ません。
もはや時代が違いすぎます。都心では車を持つ家庭が少なくなり、マイホームも減少傾向にあり、さらには年功序列・終身雇用は徐々に崩壊していっています。グローバル化が進み、海外の企業と競合し、キャリアアップのために転職をし、ヘッドハンティングされることで自分の市場価値を確認する時代です。
現段階でそれですから、今の子どもたちが社会に出る10年後・20年後はどうなっているでしょうか。きっと今では想像もできないような新しい働き方になっていることでしょう。では、今の教育は果たして最適解でしょうか?
今の教育は、若干の変化はあれども、これまでの戦後の日本で作られた制度の踏襲です。教育とは未来への投資です。未来を見据えて子どもたちを育てていかなければいけません。どう考えても、激変する社会状況とのギャップを感じます。じゃあどうするべきなのか…?
偉そうなことを言っておいて、正直、私にも断言できるほどの正解はわかりませんが、少なくとも「変化に対応できる思考力や対応力、柔軟性を養ってあげるべき」だと思います。誰にもわからない未来予想図ですが、どんな社会になっていたとしても、失敗を恐れずチャレンジできる精神を持つこと、そして当事者意識や思いやりを持ち、思考停止にならず自分で考えて行動できること。あとは彼らを信じて、社会の課題解決に全力で取り組んでほしいと強く願っています。
時代とともに教育も変わっていく必要があります。決して踏襲を前提にすることなく、変化に対応できる人材育成を目指すべきなのです。