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学校教育の脱ガラパゴス化
全国紙「日本教育新聞」の取材を受け、今の時代に必要な最先端教育や、学校教育の脱ガラパゴス化に懸ける想いを熱く語ってきました。その様子をぜひご覧ください!
● 時代の最先端授業
2021年6月初旬、埼玉県久喜市立鷲宮中学校にて、スクモールの動画コンテンツを使用した授業を実施していただきました。動画コンテンツや授業マニュアルは弊社から提供させていただき、授業の進行は学年主任の先生が務められました。私も授業の見学に伺わせていただきました。さらには、日本最大の教育専門全国紙『日本教育新聞』の記者の方もお越しくださり、取材をしていただくことになりました。
授業では生徒たちに『魔法を使えるとしたら周りの人のためにどんな魔法を使うか?』というテーマで、スクモールの動画コンテンツを視聴したのち、班ごとに誰のために魔法を使うか、その対象を絞って意見を出し合ってもらいました。このとき、GIGAスクール構想で貸与されたタブレットを利用して、それぞれが打ち込んだアイデアを共有したり、先生が生徒たちにスライドを配信したりと、最先端の授業風景を拝見することができました。
タブレットを使うことも、科目学習ではない「考える授業」を行うことも、これからの時代の「新しい教育の形」としてロールモデルになるだろうと思わせる、そんな授業でした。非常にユニークなアイデアや、人のためになる斬新なアイデアが出てきて、子どもたちの可能性を感じずにはいられませんでした。
そして授業後に先生から「普段の授業ではあまり輝いた目で取り組んでいない生徒が、今回の考える授業で生き生きとして発言していた」というコメントをいただいて、やはりこのような教育は必要不可欠だと確信しました。答えに近づける問いではなく、自由に子どもたちの想像力を解き放ってあげる問い、これこそがスクモールで実践していきたい授業です。
● 脱ガラパゴス教育
この公開授業後に、校長室にて新聞記者の方から取材を受けました。そこで、スクモールの理念や今後の展望についてもお話しさせていただきましたが、そこで公教育のこれからの在り方について校長先生と熱く意見交換をさせていただきました。共通認識として感じたのは、公教育は民間の教育機関と連携しなければいけない、ガラパゴスになってしまうことを何としても避けなければならないということです。
これまで公教育が民間と連携できなかった理由は何でしょうか? 私の持論としては、これまで「間接的な利益」を許容できなかったことが大きいと思っています。つまり、民間企業が参画するということは利益を見込んでいるからであって、それは民間である以上当然のことです。ボランティアではありません。
もちろん1つの企業が直接的にかつ不公平に寡占した利益を得ることはあってはいけませんが、その教育サービスなどの連携自体が無償で、かつ目的が認知度を上げるためであるとか、広報宣伝としてのみであれば、許容するべきなのです。校長先生も仰っていました。「無償で子どもたちのために連携してやってもらう代わりに宣伝はしても良いですよ、というのは自然なことでしょう」と。そうやって激変社会の中心にいる民間企業が教育現場に入ってこなければ、子どもたちは大人になってからの今よりも進歩した社会にどう対応できるというのでしょうか?
そういう時代を見据えた幅広い理解ある教育に取り組んでいる学校にこそ、親御さんは子どもを通わせたいと思うはずです。そしてそこに人は集まっていきます。例えば、ある夫婦に子供が産まれてこれから家を買うというときに、どの街に買うかという判断において「教育の質」という視点は必ず入ってきます。市町村や自治体が、子どもの最適な教育に取り組むことで、人口は増えていき、街は活性化して、税収も増えます。つまり自治体にとっても先行投資になるわけです。
これまでの公教育は利益を求める企業をあまりにも過剰に遮断してきたのだと思います。現状、すでにガラパゴスの危機に瀕しているかもしれませんが、なんとか、この校長先生のように柔軟で理解ある組織の長が増えていくことで、まだ間に合うかもしれません。私個人に大した力はありませんが、少しでも一石を投じることはしたいと思っています。そして民間の教育機関として、学校の先生方と連携をして、子どもたちの可能性を広げていく事業と授業をこれからもやっていきたいと思います。
将来の日本を担う子どもたちが、今の時代に合った教育を受けられるように、踏襲ではなくチャレンジする教育業界になってほしいと願っています。