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ICTは目的ではない~ICTがもたらした好機~

2021/11/21
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岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表のイメージ
岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表

日本の教育現場はICT(情報通信技術)によってどのように変わるべきか。子どもたち一人ひとりにとって最適な教育環境とは何か。この問いに対するスクモールの答えをぜひご覧ください!

● 公教育と民間教育の連携

 先日、筑波大学の研究において、「公教育と民間の教育機関(学習塾や予備校など)における連携」をテーマに、子どもたちの学力向上だけでなく心のケアなど含めてどうあるべきかという趣旨でインタビューを受けさせていただきました。主にICTの活用がどのような連携に繋がるかなど、現代社会における非常に有意義な課題です。

 私は、以前から学校教育と学習塾の連携は必要不可欠であると様々な場で主張してきました。ある一人の生徒指導において、学校が持っている情報と学習塾が持っている情報が分離されているのは、指導効果の意味においても決して良いことではありません。学校の先生も塾の先生も同じ生徒を教えているわけですから。GIGAスクール構想でタブレット配布が広まった今こそ、その議論を日本全体で行わなければならないと思っています。

 結論として、生徒の個人情報という観点においても、やはりあらゆる情報を生徒または保護者が所有するのが適切だと思います。学校の先生ですらも、あくまでも生徒の情報にアクセスするという形です。これは欧米では個人情報における意識が高い国などはすでに行っているもので、生徒または保護者が承認することで教育者がその情報を入手することができます。生徒がどこの学習塾に通うとしても、その学習塾や講師は承認された情報にアクセスでき、そこに記録していくのです。学校でもそれを行なえば、学習塾でどのような勉強をやっていてどの単元が苦手でどの分野まで進んでいるかなども把握することができますその逆も然りです。

 学校現場はやはり現実的に個々に対応するにも限界がありますので、ベースの教育を学校が行い、その後の補完的な役割として学習塾がその生徒のサポートをしていく形が自然でしょう。もちろんセキュリティなどの問題もありますが、今はブロックチェーン技術など、書き換えることができないテクノロジーもありますので、それを最大限に活用するべきだと思います。

● 個人情報利用の利便性

 実は、この話は学習記録に限ったことではなく、その子の経験や、生きてきた軌跡として記録に残り、就活や転職などの際にこの情報を利用することもできますどのような学歴で、どのようなコミュニティに所属してどのような成果を残してきたのかがわかり、何より信憑性があります。

 もちろん、必要によって情報開示の取捨選択が本人の意思によってできますので、見せたくない情報は開示しないことも可能です。ですので、極端に言うと、「悪かった経歴がないとは言い切れないが、ここに載っている情報は本当のことである」と示すことができます。いきなりは難しくとも、少しずつでもこれくらいの情報共有が可能になっていってほしいものです。

 また、保護者としての視点において、我が子の学業成績や状況などが一元化してあってそれを見ればわかるというのも良いことでしょう。学校ではこうで塾ではこうで、と複数に及んでも非常に状況把握が困難になってしまいます。子どもたちを取り囲むコミュニティやその大人たちが、連携して一緒になってスクラムを組んで、子どもたち1人1人にとって最適な教育環境が与えられることをいち早く実現してもらいたいと願っています。

 学習だけでなく、心のケアもより精度の高いサポートが可能になっていくはずです。1つだけ、懸念点として、その子どもの個人情報を扱う親の情報リテラシーをどうやって担保するかという問題もあります。自分の子どもだからといって好き放題やっていいわけではありませんので、そこは今後国や自治体が取り組んでいかなければならない課題ですが、その課題は「やらない理由」にはならないほど、効果の方が圧倒的に上回っていると思います。

岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表のイメージ
岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表

【数千人の生徒・保護者と向き合う人気実力派講師】 20年以上も教育現場に身を置き、これまで多数の卒業生を難関高校・大学へ輩出。学校長として運営する塾教室は、グループ内で全国トップレベルの売上規模を誇る。 現在は合同会社スクモール代表社員、講師。

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