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完全試合から学ぶ

2022/04/17
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岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表のイメージ
岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表

プロ野球・佐々木朗希投手の完全試合に日本中が酔いしれましたが、その背景には教育の本質がありました。今後長い人生において叱ることの効力はどれくらいなのか、今できないことを求めることが果たしてその子の長期的な成長になるのだろうか。今回は「教育者に求められる視点」を解説します。

● 人生のピークを考える

 2022年4月10日、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合を成し遂げました。完全試合は元巨人の槙原投手以来の28年ぶり、かつ史上最年少で13者連続三振という金字塔を打ち立てました。最速で164キロを投げ、1試合でも19奪三振と日本記録タイ。27個のアウトを取る中でとんでもない数字です。

 これを見た時に、最初に思い出したのが、彼が高校3年生の夏の岩手県大会です。当時から“令和の怪物”と呼ばれていた佐々木投手は、東日本大地震で父と祖父母を亡くしました。元々住んでいた岩手県陸前高田市から大船渡市に移住し、岩手県立大船渡高校に通っていました。準決勝を投げ終えて、決勝の相手は強豪花巻東高校、あの大谷翔平選手の母校です。大船渡高校の国保監督が「3年間で1番壊れてしまうリスクを感じた」と佐々木投手の歩く姿などを見て総合的に判断して、決勝を投げさせませんでした。

 佐々木投手が投げずに決勝では大敗してしまい、甲子園には行けませんでした。当時は賛否両論あり、学校には250件ものクレームが来たそうです。今思えば、この監督のおかげで今回の偉業が成されたのだと思います。大事に大事に育ててくれたおかげです。才能溢れる若者を育てるということを勝利よりも第一優先に考えて若者の指導にあたっていたこと、他のスポーツにおいてもこの例は非常に示唆の富んだ事例になったと言えるでしょう。教育の本質として、その子の人生のピークを見据えることは本当に大切なことだと思います。

● 適材適所と成長の狭間で

 教育というものは目先の利益損得ではなく、長期的に見たその子の成長を天秤にかけることが大切です。子育ても同じです。今後長い人生において叱ることの効力はどれくらいなのか、今できないことからすぐにできることを求めることが果たしてその子の長期的な成長になるのだろうか、無理を要求していないだろうか、そんな視点を持つべきで、その視点は教育する側のストレス軽減にも繋がります。

 社会の企業組織においても同様ですが、人材育成は適材適所と相反することが多々あります。最も得意な人間にやらせることと、苦手だから成長させるためにやらせることを、判断する者は常に天秤で検討しなければなりません。いつも得意な人間にやらせていると、苦手な人間は経験できずに成長を望めませんし、成長のためだけに苦手な人間にばかりやらせると当然クオリティが落ちサービスパフォーマンスは低下し事業は上手くいかないでしょう。どちらに偏っても組織は強くなりません。

 この天秤は組織における人材育成の重要な思考だと思っています。夢を追いかける子どもたちに対して、目指す勝利と長期的に見た成長とをしっかり考えながら指導者は立ち回る必要があります。家庭においても、学校においても、スポーツのコミュニティにおいても、そして企業の部署やチームにおいても、そのような意味で指導者が優れていることが最重要で、政治行政および自治体、業界団体は、指導者を育てる仕組みを構築することに全力を注ぐべきです。

 佐々木朗希投手のように、多くの人に感動を与えられる有能な若者を大人たちが大事に育てていくことは、東日本大震災そして新型コロナウイルスによって、世界経済においても弱った日本を復活させる最大の要因となるでしょう。

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岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表のイメージ
岡崎 吉博[Yoshihiro Okazaki]|スクモール代表

【数千人の生徒・保護者と向き合う人気実力派講師】 20年以上も教育現場に身を置き、これまで多数の卒業生を難関高校・大学へ輩出。学校長として運営する塾教室は、グループ内で全国トップレベルの売上規模を誇る。 現在は合同会社スクモール代表社員、講師。

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