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SNSの時代で「言論の自由」とは何なのか。どのような教育をすれば空気を読んだり相手を想像できるようになるのか？ どうすれば自分に向けられた言動に対してストレスのない解釈ができるようになるのか？ 今回は「当事者意識」と「多様性の認識」について解説します。

● Twitter買収が意味するもの

　今年の流行語大賞、もう予想できました。「マスク」です。あるニュースアプリを開いた時に、主要トピック上から「マスク氏、Twitter買収」「マスク、人と距離をとれる屋外で〜」などマスクに席巻されていました。Twitter買収の件は、世の中に大きな一石を投じたものだと認識しています。

　SNSの時代、言論の自由とは何なのか、企業が制御できる範囲はどこまでなのか、本格的に議論しなければならないフェーズに差し掛かっています。もちろん、誹謗中傷などの人格否定は言語道断であることは誰しもが賛同するところでしょう。ではその範疇は？ 例えば、バカ、アホ、はアリなのでしょうか？ 普段から子どもたちだけでなく大人も使うような暴言としてこれら全てを禁じてしまうことは、言論統制という、自由を剥奪することにならないのか？ 非常に難しい問題です。

　最上段の議論のようにも思えますが、現代は多くの国民が自ら発信できる状況になっているわけですから、「自分は関係ないこと」ではないでしょう。同じ「バカ」でもお互いの関係性やニュアンスによって全く問題ない場合も多々あると思います。逆に強烈に相手を傷つけることもあるでしょう。本格的に議論すべきという前述に相反するかもしれませんが、実際に線引きができるかというと疑問符がつきます。

　ある程度は議論の上で決めなければいけませんが、そこで並行して行わなければならないのは、空気を読んだり、相手を想像したりする能力を養うこと、受け手側の解釈が重要になっていきます。いわゆる民度の向上です。やはり言論というものは人間が発するものであり、その人間の価値観や倫理観が反映されるものです。実際に線引きが難しい判断は個々に委ねられるわけですから、そこで正しい判断ができることが大切です。

● 「あきらめ」を教える勇気

　私の中で、民度の向上とは教育であり、その教育の大部分を担っているのが学校です。学校現場において、どのような教育をすれば空気を読んだり相手を想像できるようになるのでしょうか？ そしてどうすれば自分に向けられた言動に対してストレスのない解釈ができるようになるのでしょうか？

　キーワードは「当事者意識」と「多様性の認識」です。前者の「当事者意識」は自分が発信する時に重要になるスキルで、相手の気持ちになったり、マジョリティ (多数派) の感性を予想することに役立ちます。自分がマイノリティ (少数派) の感性を持っていてもそれは問題ではなく、その自分の感性が世の中においてはどれくらいのシェアなのかを知ることはとても重要なことです。

　逆に後者の「多様性の認識」は、自分が受信するときに重要になるスキルで、誤解を恐れずに言うとその中身は「あきらめ」に似たものもあります。自分とは違う感性の人がたくさんいて、理解できない感性の人がたくさんいることを認識することです。民度が向上しても、それでも現実的には誹謗中傷する人はゼロになるわけではありませんから、対応せざるをえない時があります。その時に、全てを背負わず気にしないことも大事なことです。自分を追い込んで鬱になったり、自傷行為に及んでしまうことは避けなければなりません。「あきらめ」と言うと聞こえは良くありませんが、情報過多の現代において、これは本当に必要な教育です。

　時代のスピードは加速する一方です。どんどんテクノロジーの発展とともに情報のコモディティ化 (一般化) は止められません。早くそれに合わせた教育をしていかなければ、取り返しのつかないことになります。公教育は変わることが難しいかつ時間もかかります。民間の教育機関が時代に合った教育を先駆けて進めていく必要があるのです。スクモールもその想いと使命感を持って教育コンテンツを制作していきます。

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