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選挙制度の功罪
民主主義の真骨頂である「選挙」。この制度を適正に運用するには、『成熟した民度』が前提条件にあります。それぞれが自分の考えを持ち、政治にも関心を持ち、将来を見据えて判断できる人材を、柔軟にそして信念を持って育てていく社会でなければなりません。
● 民主主義のリスク
参議院議員選挙もいよいよ大詰め、各政党の代表者たちも日本中を駆け巡り街頭演説をしています。猛暑の中で帽子もかぶらず直射日光で演説しているご年配の方たち、心配です。どこかのタイミングで倒れたりする候補者が出てしまいそうなので、早く危険な選挙運動を見直すきっかけがほしいところです。
今回の選挙は、争点が色々あります。ロシア・ウクライナの戦争中ですので当然最も過熱するのは国防についての議論、そしてこの猛暑からの電力供給含めたエネルギーについての議論、そして以前から取り立たされている憲法改正の議論など、非常に重要な国家の根幹に関わるトピックです。それに加えて円安が加速している経済状況です。経済政策についても是非が問われるでしょう。
民主主義の真骨頂である「選挙」。国民の意思を反映させるべく、全国で1億人もの有権者が投票によって政治家を選びます。といっても投票率は毎回50%程度ですので、半分の人の意思となります。この「選挙」は、国民主権という名のもと、独裁者が出ない非常に公平な制度と言えます。暴君や独裁者が出たら国民の投票で落とすことができるからです。平和主義を貫く日本および日本国民にとっては最も適しているのかもしれません。
逆に、デメリットやリスクについても考えてみましょう。国家指導者は時と状況によって、厳しいことも決断しなければいけないときがあります。しかし選挙で落とされたくないので、国民の顔色をうかがい過ぎて、それを言わない・やらない、これはこれで悲劇です。聞こえの良い、人気取りの政治家ばかりでは絶対に上手くいきません。本当に必要なことは決断しなければいけません。マジョリティ(多数派)が必ずしも正しくはないと、民主主義に相反する考えですが、これも真実だと思います。
● 現代にドロップキック
民主主義でこの選挙という制度を適正に運用するには、前提条件があります。それは、『成熟した民度』です。1億人の有権者たちが、国のことに関心を持ち、考え、自分の意志を持って、そこで初めて選ぶ効果が見込めます。民度が成熟していなければ、選ぶ精度も悪くなり悪政に繋がってしまうでしょう。かくいう私も偉そうに言っていますが、日々の生活の中でずっと国のことを考えられているわけではありませんし、おそらく多くの国民がそうだと思います。
そもそも各政党の主張や公約をどれくらいの人たちが把握しているのでしょう。忙しい毎日の中で、これらを全国民がしっかりと把握し、考えることは望ましいですが、現実的かと言われると疑問です。それでもこのやり方がマシなので、続いています。ということは、やるべきことは、少ない時間の中で効率よく情報を収集でき、そして比較し考える人を1人でも多く増やすことなのだと思います。この「選挙」というシステムは、国民の民度、つまりはそれぞれの知識や教養にかかっているのですから。
私が好きなMr.Childrenの歌の歌詞で、「知識と教養と名刺を武器に、あなたが支える明日の日本」というフレーズがあり、それを思い出しました笑。~秩序のない現代にドロップキック~というサブタイトルがついている歌で、現代の若者に対して一石を投じるような歌ですが(と私は解釈していますが)、その若者たちが今後の日本を担っていくわけです。教育というものから逃げずに人を育てていかなければなりません。それぞれが自分の考えを持ち、政治にも関心を持ち、将来を見据えて判断できる人材を、柔軟にそして信念を持って育てていく社会でなければなりません。選挙という素晴らしい制度はその上に成り立っています。
流されやすく、乏しい思考力で、国に関心も持たない人たちが投票して決める選挙など、まだ独裁国家の方がマシかもしれません。「秩序のない」は「民度が低い」と同義と理解して、今度から気持ちを込めてカラオケで歌ってきます笑。教育においても一生懸命頑張らなければなりませんが、政治家の皆さんも、国民がわかりやすいように説明していただき、メディアや演説などでもきちんと政党の比較をお伝えいただきたくお願いする次第です。。
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