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世界を揺るがす事件から
参議院選挙直前、日本および世界中に激震が走りました。安倍晋三元総理の銃撃事件です。その銃撃から2週間が経ち、国葬としての葬儀について国会内だけでなくメディアや世間においても賛否両論が繰り返されています。私が個人的に議論に上げたいのは、この基準の明確化についてです。
● 国葬という課題
前回のブログで選挙について様々な側面を述べさせていただきました。参議院選挙前でした。そしてその直後に、日本および世界中に激震が走りました。安倍晋三元総理の銃撃事件です。まずは何より、謹んでご冥福をお祈りいたします。
事件直後から、警備の問題や宗教団体に関する背景情報が徐々に出てきていますが、ご家族の方々におかれましては、失った人は帰らず、悔やんでも悔やみきれないと思います。大前提として、人を殺めた重罪ですから法によって適正に処罰されなければなりません。そして、世界各国からの弔問が続き、その流れでこの秋に国葬として葬儀を行うというニュースがあり、そこに対して国会内だけでなくメディアや世間においても賛否両論が繰り返されています。
私は、少し調べました。過去に国葬として葬儀を行なった政治家の方は誰がいたのだろうと。戦後、内閣総理大臣経験者の国葬は吉田茂氏のみです。1967年に執り行われたので、安倍晋三元総理が今年の9月に行われると55年ぶりとなります。国葬ではなく、内閣自由民主党「合同葬」や「国民葬」などという形で行われた葬儀は多く、佐藤栄作氏や橋本龍太郎氏、直近では中曽根康弘氏の合同葬が2020年に行われました。
「合同葬」であれば、政府(国費)と自民党の折半になりますが、「国葬」となると全額国費からの負担になります。中曽根康弘氏の「合同葬」が約2億円近くかかっていますので、国費からは約1億円ということになります。同様なものと考えると安倍晋三元総理の「国葬」には約2億円かかると言われています。
● 曖昧を捨て、決める決断を
私が個人的に議論に上げたいのは、安倍元総理が国葬に値するか否かというよりも、その基準の明確化についてです。すべてのことには賛否があります。全会一致などそうそうあり得ません。そこで国葬に対して明確に基準を示す必要があるのだと思います。そうでなければ今後、総理大臣経験者が亡くなった時にまたメディアを介して揉めることになるでしょう。
岸田総理が『首相在任期間が憲政史上最長となることや内政・外交の実績、国際社会からの評価』という説明をしていますが、やはり曖昧な印象は避けられません。最長という理由は今後の在任期間が更新されなければ行わないということになりますし、内政・外交の実績や国際社会からの評価というものもなかなか基準が不明瞭です。確かに難しい問題ではありますが、やはりここは政治が決断することで明確な基準を設けることは絶対条件ではないでしょうか。
今回は、民主主義の根幹である選挙活動中でかつ銃撃されるという、ある意味衝撃的な亡くなり方ではありましたが、それも基準としては設定できるものではないでしょう。今からルールを定めても、今回の国葬については辻褄合わせと叫ばれてしまうでしょうが、どこかのタイミングで必ず決めなければ永遠に問題は解決しないでしょう。
イデオロギー(政治思想)として今回の賛否をここで述べるつもりはありませんが、あくまでも税金の使途についてはすべて明確化させることが大切です。みなさんなら、どのような基準にしますか? 当事者意識を持ってどんな基準が適正なのか、考えたり議論したりする機会がもっとあるべきだと思います。悲惨な事件によって命を落とされた方をお悔やみすることも大切です。そしてそのことも含めて学びに変えて、私たちは前を向いて歩み続けなければなりません。
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